皆さんは「ブランデング」をどのように解釈しているでしょうか?
ブランディングという言葉には広い意味があり、それはマーケティング用語であったり、デザインに深く関わる言葉だったり、それぞれの立ち位置や考え方によって解釈が異なる場合が多くあります。
ロゴマークやパッケージといったビジュアルのデザインをリニューアルすることを「ブランディング」だと考える方もいらっしゃると思いますが、私たちはそのようには考えていません。
僕はデザイナーとして20年以上のキャリアを積みながら多くのお客様のブランドづくりに関わらせていただきました。
今回はそんな経験の上で考える「ブランディングとは何か」を深く紐解きます。
ぜひ企業のブランドづくりの参考になれば幸いです。
一般的なブランディングの定義とは?
ブランディングについて、デジタルハリウッドダイガクNOWは以下のように定義つけています。
ブランディングとは
自社ブランドに対する顧客のイメージや共感性を高め、付加価値の向上や他社との差別化を目指す活動を指します。
引用:デジタルハリウッドダイガクNOW
イメージ、共感性、付加価値、差別化……。う〜ん、やっぱり難しい(笑)
まさしく伝えたいことはこれなのですが、僕たちはもっとカジュアルにわかりやすくブランディングを定義したい!
「ロゴマークのリニューアル=ブランディング」では無い
ロゴや商品パッケージといった見た目のデザインはもちろん、ブランディングの中でも重要な項目になりますが、あくまでもそれはブランディングの一部であり、それだけでブランディングが完了するわけではありません。
想いを視覚化させる前に、まずは企業が掲げる理念やビジョン、社員、お客様といった人と向き合い、何が大切で何が本質かを見定めていく必要があります。
ブランディングの3大要素
皆様にわかりやすくブランディングを理解していただくために、僕たちはブランディングをしたい企業またはサービスを「人」に置き換えて考えています。漫画のキャラクター設定のように、好き嫌いや趣味嗜好といったブランドのキャラクター像を明確にさせることで定めたターゲットに強い印象と共感を与えられると考えています。
ブランドを「人格」、「顔」、「実演」の3要素に分け、できるだけわかりやすく下記ににまとめました。
1.ブランドの人格をつくること
お客様、社員、企業が掲げる理念などの既存の情報に加え、これからのビジョンやターゲットを定めたうえで、「どんなブランドであるべきか」を考えます。
それは漫画のキャラクターづくりに似ており、例えばGACKTがしまむらの服を着ないように、ロックミュージシャンが派手で奇抜な生き方を見せるように、そのブランドが「あるべき姿」を明確にさせることでユーザーにより強い印象と共感を与えることができるはずです。
2.ブランドの顔を描くこと
次に形のないブランド像を視覚的に見せるため、ロゴマークやキービジュアル、パッケージ等、そのブランドの顔となる象徴をデザインしていきます。
同じカフェなのにコメダ珈琲とスターバックスって印象が大きく違いますよね。どちらも素敵な飲食店ですが、店構えやロゴ、看板、メニューに至るまで大きく差別化がされています。
「ブランドの人格にふさわしい顔とは何か」を考えながら、デザインをしていくことは、競合他社の差別化や付加価値の向上に繋がるはずです。
3.ブランドを実演し続けること
僕はブランディングをするうえで最も重要なことは、定めたその人格・顔であり続けることだと考えています。
いくらダイエットをして魅力的なボディを手に入れても、数ヶ月でリバウンドしてしまっては元も子もありません。事業は計画、実行、評価、改善のPDCAサイクルを繰り返していくものですが、ブランディングは事業が存続する限り常にあり、演じ続けなければならないものです。
安月給なのに高級ブランドを着続けることが難しいように、大きな背伸びをせず持続可能なブランドづくりを考えることもとても大切です。
具体的なブランディングの手順
ゴーアヘッドワークスでは先述したブランディングの3本柱を軸に、以下の手順でブランディングに取り組んでいます。
1.ブランドの人格づくり
- 企業が考える根本的な価値観、ミッション、ビジョン(パーパス)、コンセプトを明確にする
- ブランドの「独自性」や「自分たちらしさ」を確立する
- 製品、サービス、顧客の体験などをリサーチし、ブランドの価値を分析する
- ブランドのストーリーを通じて企業の価値観を明確にする
2.ブランドの顔づくり
- 一貫したブランドメッセージを確立して、それをさまざまな方法で伝える
3.ブランドの実演
- 顧客との対話を通じ「お客様との約束事」を明確にし、ブランドへの共感・信頼を作る
- 従業員と共に、自社や商品のブランド価値観を理解し、深く共感・共鳴しそれを共有する。
ブランディングが「ある」と「ない」とでどう違うの?
では、ブランドの有無で具体的にどのような影響があるのでしょうか。簡単な図にまとめてみました。
ブランドがあることによって、そのブランドであるべき指標が定まるため、ユーザーに対して共感を得られたり、従業員の結束力が生まれると考えています。
ブランディングの「落とし穴」
ブランドがあることによって企業やサービスのアイデンティティが確立され、さまざまな恩恵を得ることができます。
しかし、ブランドの独自性や人格にこだわりすぎて、共感性や需要を見失ってしまうケースを多く見受けられます。
ブランディングをする上では、しっかりと需要や購買者の思考などマーケティングの要素も含め考えなければなりません。
「商品の価値」が「伝えたい相手」にちゃんと伝わっているかをしっかり考えながら実行していかなければいけません。
ゴーアヘッドワークスが考えるブランディングの定義
先述したブランディングとマーケティングの要素を踏まえ、ゴーアヘッドワークスでは以下のようにブランディングを定義します。
「ブランディング」とは、
売る人と買う人のイメージを一致させ持続させていくすべての行為。
しっかりとターゲットを明確させた上で、需要があるかを検討し、そのうえで独自性、共感性を磨き上げることで唯一無二のブランドが出来上がります。
売る人、買う人、社会の「三法良し」を見定める
ブランドの独自性や人格にこだわりすぎて、共感性や需要を見失ってしまわないように、売る人、買う人、社会の「三法良し」を見定めていきましょう。
売る人
自社、自社商品、経営者、会社の幹部・社員、それをとりまく環境が考えていることや大事にしていること。
買う人
ターゲット、ペルソナ、エンドユーザー、消費者、受注者、与える相手。
社会
トレンドや独自性、社会性、時期、地域など社会的に関心が高まっている要素。
ブランディングで関わる人を「ゴキゲン」に!
ブランディングと一言で言ってもさまざまな考え方や手法があります。
弊社がブランディングにおいて最も重要視しているのは「人」です。
どんなに良い商品を出して売上を出せたとしてもそこで働く従業員や経営者が笑顔でゴキゲンな状態じゃないと元も子もありません。
提供する側が笑顔にゴキゲンであり続けることが購買者にも連鎖し、そのブランドを持続させていくための大きな原動力となると信じています。
最後に
ブランディングにはロゴや商品パッケージといった視覚的な要素も重要です。
しかしその本質を見定めずして良いブランディングはできません。
- ブランドの人格を形成し、顔を描く。そしてそれを演じ続けていく。
- 独自性や人格にこだわりすぎて、共感性や需要を見失ってしまわないように見定める。
- ブランドを取り巻く「人」が笑顔でゴキゲンであり続ける。
そのプロセスこそが、ブランディングであり、より強固な自社の価値につながると思っています。
ゴーアヘッドワークスでは、様々なブランディングにおけるプロジェクト全体の立ち上げ、伴走、
デザイン制作を軸にした広告プロモーションのアウトプットまで、ブランドづくりのお手伝いをすることが可能です。
ブランドづくりにお困りの際は是非一度ゴーアヘッドワークスへお気軽にお声がけください!
デザインの仕事に従事して20年以上のキャリアと実績で皆様の手となり足となり、一緒にゴキゲンな未来を作れるように全力でサポートしていきます!