「ブランディングをお願いしたいけどどんなことをしてもらえるか分からない」
そんなお声をお伺いすること増えてきました。ブランディングの手順は状況や内容によって異なっていきますが、当記事では基本的な9の手順を紹介させていただきます。
そもそもブランディングとは?
上記の内容の前に、そもそもブランディングって何?という方はコチラをご覧ください。

また、ブランディングを進める中にもインナーブランディングとアウターブランディングがあり、それぞれに役割や環境、制作物が変わってきます。そのあたりも別ブログで解説しています。


ブランディングの「3本柱」と「9つの手順」
ブランデイングの手順を説明する上で、簡単に、シンプルに表現したのが
デザイン会社 ゴーアヘッドワークスが考える「ブランディング」とは?での
ゴーアヘッドワークスで考えるブランディングの3本柱
1.ブランドの人格づくり
2.ブランドの顔づくり
3.ブランドの実演は
さらに、この3つの軸を分解すると、この「9つの手順」分けられます。
- ①企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー)の作成
- ②根本的な課題の定義
- ③ 現在地の確認・共有・把握
- ④ 資源の発掘
- ⑤ 目的・目標の設定・共有
- ⑥ ブランドの方向性を決める
- ⑦ アイデア出し・デザインの作成
- ⑧ 市場調査と戦略の実行
- ⑨ 計画の振り返りと次への行動
以下、詳しく説明していきます!
1.【第1章】ブランドの人格づくり
① 企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー)の作成
インナーブランディング
まずは一番中心の考え方となる部分、ブランドの核となる考え方を言語化します。会社自体や商品ブランドの存在意義や目指す未来を定義し、社内・社外へ発信していくベースを作ります。

主な取り組みとしては「ミッション(使命):ブランドが存在する理由」の言語化。現状のブランドが何の為に存在し、誰にどんな価値を伝えるものなのかを、具体的な言葉にして明確にしていきます。
そして「ビジョン(未来像):ブランドが目指す方向性」の言語化。これから、ブランドを育てていく上で、1年後、5年後、10年後、どんな状態になっていたらいいのかを明確にしていきます。
最後に「バリュー(価値観):ブランドが大切にする信念」の言語化。ミッション(使命)と、ビジョン(未来像)があっても、それを使いこなして向かっていくバリュー(価値観)によって、良くも悪くも大きく展開が変わってきます。どんな価値観でブランドを育てていくのか?を社員の人と共に、言葉に落とし込んでいくワークショップ形式をとって行なっていきます。
ポイントとしては、シンプルかつ覚えやすい、誰にでもわかる言葉で定義する事が大切です。また、プロジェクトメンバーだけでなく、社員が共感し日々の業務で活かせる内容にする言語化が大切です。
② 根本的な課題の定義
インナーブランディング アウターブランディング
ブランディングを進めていく上で一番重要なのは、ブランドが抱える本質的な課題を見つける事です。表面的な問題だけでなく、本質的な課題を特定し、解決策を探ります。このプロセスにはメンバー全体の意見を聞き出すファシリテーション能力はもちろん、質問によって本質的な核となる問題点を見つける質問力、問題意識を明確にして目標に向かうコーチング力が大切になってきます。
主な取り組みとしては、現在の顧客の声の情報があれば、その分析も含めた、市場環境の課題整理(競争環境・トレンド・社会変化)。また、社内の課題(リーダーシップ・組織文化・理念の共有度)を確認していく事が重要です。
ポイントとしては、「なぜ?」を繰り返し、本当の課題を探るコーチングによる質問力。現状の短期的な問題ではなく、長期的なブランディングの課題に着目した捉え方での全体把握が必要です。
③ 現在地の確認・共有・把握
インナーブランディング アウターブランディング
①と②が見えてきてから一番大切なのは、現在のブランド・会社自体の立ち位置、現在地の確認をし、自社のブランドの強み・弱みを整理することです。
まずは現在地がどこにいるのか?の確認を、メンバーが素直に向き合い話し合う事が大切です。現在地が受け入れれなかったり、変なプライドが邪魔をして現在地の確認を避けたりしてしまうと、向かう方向が曖昧になります。
主な取り組みとしてはブランドの現状分析、ターゲットの現状把握(どの顧客層に受け入れられているのか?それは狙っているターゲットなのか?)を行い、競合分析(市場内でのポジション・競争優位性・強み・弱み・機会・脅威の分析)をしていきます。
ポイントとしては、社内の認識と市場での認識にギャップがないかを確認、定量データ(売上、シェア)と定性データ(顧客の声)を活用しながら、現実的な数字や声を元に現状分析をしていきます。
④ 資源の発掘
インナーブランディング アウターブランディング
③で根本的な課題を深掘りし、現在地を確認した後に、批判やマイナスな意見だけでなく、改めてブランドが持つ強み・活用できる資源を洗い出していきます。この商品・会社・ブランドができた経緯、先代の経営者や創業者の想いなど、社内外のリソースを活用し、今後のブランディングの武器にします。REブランディングや、今の商品・サービスを見直す場合は、このプロセスがとても重要になってきます。
主な取り組みとしては、自社の強みの整理(技術力・歴史・人材・ブランド資産)が必要です。また、既存の顧客・ファンコミュニティなども資源となります。最後に、社外リソース(パートナー・メディア・インフルエンサー)の存在も大きな資源となりえます。社員や身近な人たちばかりではなく、関係人口の意見やイメージを聞く事で新しく発見する事が多くあります。
ポイントとしては、既存のリソースを最大限に活かす戦略を考える資源をしっかりと見つける。また、現在もっている資源の強化や不足分の補完も視野に入れて、現在地を把握する事が大切です。
⑤ 目的・目標の設定・共有
インナーブランディング アウターブランディング
第1章の最後は、ブランディングをする目的や目標を考えます。ブランドが目指すべき方向性を明確にし、関係者全員で共有します。
主な取り組みとしては、目的・目標設定(認知度向上・売上増・イメージ刷新 など)、社内浸透のためのミーティングやワークショップの実施を行います。
ポイントとしては、しっかりと目的を明確に定める事、目的が曖昧だと方向性がブレる可能性が出てきます。そして、目標はしっかりと数値化し、進捗を確認できるようにする事が大切です。日々、忙しい業務の合間にプロジェクトを進めると、決めただけで何も行動に出していなかった。という状況がよく起こります。
2.【第2章】ブランドの顔づくり
⑥ ブランドの方向性を決める
インナーブランディング アウターブランディング
第1章である①〜⑤が固まってきたら、いよいよ外部に発信をしていく為の準備としてブランドが一貫性を持つためのルールを決めていきます。まずは、ブランドとしての行動指針や価値基準を明確にします。
主な取り組みとしては、ブランドのイメージの方向性を決めていきます。⑤で決めた、目的・目標に合わせて、ブランドイメージを考えていきます。会社で考えると、自社らしさや、自分たちが持っている個性を固める作業です。そして、ブランドのパーソナリティの定義、例えば人柄、人格、持ち味などの意味となる物です。最後に、意思決定のフレームワークです。ブランディングに沿った判断基準を考えていきます。どんな時に、どんな考え方で何を基準に決めていくのかを固めていきます。
ポイントとしては、ブランドのブレを防ぐため、誰が見ても理解できる統一された基準を作る事です。デザインでいうと、カラーを選ぶ事や、形を選ぶといったベースのイメージにもなっていきます。ここでのポイントは決まったルールももちろん大事なのですが、判断基準を社内に浸透させる事も一つの目的です。

⑦ アイデア出し・デザインの作成
インナーブランディング アウターブランディング
ブランドディングの軸が明確になってくると、次のステップはやはりアウトプットです。ブランドのビジュアルや表現を作り上げる事に進んでいきます。ブランドの世界観を形にし、視覚的・言語的に統一します。
主な取り組みとしては、ロゴ・カラー・フォント・デザインガイドラインの策定が基本になってきます。どんなロゴマークを作れば自社のイメージが100%伝わるのか、どんなカラーにしたら自社商品とすぐわかってもらえるのか、統一されたイメージで伝わるように、どんなフォントを選んだらいいか等のガイドラインが必要になってきます。
また、ブランドメッセージ・スローガンの作成も不可欠です。ブランドストーリーを作っていく上でもメッセージを端的化して、ブランドの理念や想いを言葉にして届けます。そして、そのイメージやロゴ、デザインをしっかりと、自社サイトや、各種印刷物のデザイン、広告活動におけるデザイン、SNSのアイコンなどのデザイン統一をしていく事で、しっかりとブランドが認知されていく「デザイン」に落とし込んでいきます。
ポイントとしては、ブランドの個性を明確に伝えるデザインを採用する事。ここで大切なのは、何でもいいデザインではダメだという事です。言いたい事が伝わっていればOKと考えがちですが、自社の100%持っている価値が、そのデザインによって100%伝わるデザインになっているか、ブランドとしてのブレがないかを確認していきます。 全てのデザインに統一感と、同じイメージを与える事が大切です。
3.【第3章】ブランドの実演
⑧ 市場調査と戦略の実行
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第3章は、デザインを作り、発信していく中で最も大事な部分。それは、ブランドの打ち出し方を市場に適用しているか?です。しっかりと第1章で考えた、ターゲットにブランドを浸透させるためのマーケティング施策を展開しているかで、大きく反応や結果が変わってきます。せっかくいいブランドができて、いいデザインが完成して、予算をかけて発信・プロモーションを行なっていっても、市場調査と戦略がズレていると、意味のないものになりかねません。
主な取り組みとしては、市場・競合の動向調査(定期的にデータを分析)が重要です。さらに、プロモーション戦略の実行(SNS、広告、PR、イベント など)が大きく左右されます。ここに関しては「プロモーションの5つの手法」を詳しく解説しています。

最後に、ブランド体験を強化する施策の実施(接客・カスタマーサポート改善)です。目的・目標もバッチリで、方向性や戦略も良く、デザインも最高!だったとしても、誰がどのように伝えるか?で崩れる場合もあります。接客やエンドユーザーへの伝え方も気を遣い部分です。その辺りもしっかりとブランドイメージに会うように戦略を考える事が必要です。
ポイントとしては、施策の効果を測定しながら改善を繰り返し行なっていく。また、短期・長期の視点でブランド戦略を進める。という考え方が大切になってきます。
⑨ 計画の振り返りと次への行動
インナーブランディング アウターブランディング
最後はこれです。ブランディングの成果を振り返り、次の施策を決めるサイクルを作る。

一度、上の図のように一周回って行動をしてみると、次の課題が出てきます。業務や品質の改善を目的としたフレームワークを繰り返していく事で、自社にとってより成果が出やすい手法を見つける事ができます。
主な取り組みとしては、目標達成度の確認が中心になってきます。また、改善点の洗い出しや、次の施策の計画立案を行なっていく事で、より良い未来へと繋がっていきます。
ポイントとしては、一回形になったから終わりというものではなく、定期的にブランドの状態を見直し、改善を続ける事が重要です。また、最近は市場環境の変化が激しく、半年前の情報は古くなり、どんどん新しい情報・価値観が入ってきます。それに柔軟に対応していく事が大切になります。
最後に
このように、9のステップを実行することで、強いブランドを構築できます!
ブランディングにはロゴや商品パッケージといった視覚的な要素も重要です。
しかしその本質を見定めずして良いブランディングはできません。
- ブランドの人格を形成し、顔を描く。そしてそれを演じ続けていく。
- 独自性や人格にこだわりすぎて、共感性や需要を見失ってしまわないように見定める。
- ブランドを取り巻く「人」が笑顔でゴキゲンであり続ける。
そのプロセスこそが、ブランディングであり、より強固な自社の価値につながると思っています。
ゴーアヘッドワークスでは、様々なブランディングにおけるプロジェクト全体の立ち上げ、伴走、デザイン制作を軸にした広告プロモーションのアウトプットまで、ブランドづくりのお手伝いをすることが可能です。
ブランドづくりにお困りの際は是非一度ゴーアヘッドワークスへお気軽にお声がけください!