「広重バームクーヘン」の事業譲渡から「Re:ブランディング計画」の全貌!

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飛騨高山の「ブランディング会社」が、リアルな実績を作る為に、スイーツ小売業の「広重バームクーヘン」を事業譲渡して、Re:ブランディングプロジェクトを始動!

2024年7月1日より、飛騨高山と金沢で事業を展開するバームクーヘン店「広重(ひろしげ)バームクーヘン」
ゴーアヘッドワークスが事業を承継し、運営させていただくことになりました!と、発表してから約1年。
さまざまな問題を一つ一つつなぎ、改善しながら、すこしづつRe:ブランデイングをしてきました。

スイーツ小売事業の事業譲渡への思いと、核となる想い。

弊社では「ゴキゲン×クリエイション」を経営理念に掲げ、これまで「デザイン事務所」から始まった会社を「ブランディング会社」へ成長させ13年間経営してきました。
そんな経営の中で、ずっと考え続けてきたのは、自分たちの「デザイン」「ブランディング」は本当に通用するのか?地域にどう活かせるか?です。「デザインの力」で、飛騨のまちをもっと知ってもらえないだろうか?飛騨へ来てもらうきっかけを作れないだろうか?
しかし、仕事の内容としては、基本的にはクライアントさんから注文をいただき、制作する、受注制作型のデザイン制作では、その前段階から関わることが少ない現状でした。また、ブランディングに力を入れ始めてからも、制作段階のもっと前の事業資金計画の部分から関わることができないか?と、歯痒い思いでクライアントワークでの力不足を実感していました。

そこで、地域の「ブランデイング会社」である僕ら自身が、地域課題に向き合い、ブランディングはもちろん、商品販売から、新商品開発、製造管理から流通、販売スタッフ育成まで一貫して携わり、地域に必要とされる企業となりたい!そんな想いから「広重バームクーヘン」を事業譲渡させていただき、このプロジェクトが始まりました。

そもそも、なんでブランディング事務所がバームクーヘン屋を事業承継・運営?

そもそも「どうしてブランディング事務所がバームクーヘン屋を事業承継?」そう思われる方も多いかと思います。
弊社もデザイン事務所として13年以上多様な業種のデザインやブランディング、広報に携わらせていただきました。その中でひとつ出た答えは「現場をもっと知る事」でした。
デザイナー、ブランディング会社の指名は「売れるデザインを確実に創り出すこと」です。今やAIの力で誰でも簡単にデザインが作れる時代。

デザインという仕事がなくなるかもしれない。
デザインの価値が下がってしまうかもしれない。
僕たちもそれとどう向き合い、共存していけるかを考えていました。
デザインとはいわば「拡声機」。芸術的要素はもちろん、結果を出せるものでなくては意味をなしません。

「僕たちが13年間培ってきた技術・センスをより確信にお客さまに繋げたい」

そんな想いのこもったブランディングが形になれば、デザインのクオリティーはもちろん高く、しっかりと利益が出せる商品開発、店舗運営、会社経営ができるのではないか?そんな想いを胸にバームクーヘン屋の事業承継に踏み切りました。

もちろん、表面上のデザインが変わると、売り上げにも影響はするのですが
「そもそも、そこにデザイン制作物は本当に必要か?」「なんの為にデザインを制作するのか?」
「その文字の大きさのはかっこいいけど、お客さまに優しいサイズか?」
「デザインよがりになっていて、本質的な部分がとらえれていないのではないか?」

という自問自答が、この広重バームクーヘンの事業継続をしていく事で、大きく見えてきました。
デザイン制作だけでなく、スタッフ教育や、バイト一人一人の言葉の使い方、店舗運営の細かいルール
そこまで形にして「ブランディング」を進めていく延長に「ブランド」の確立があるのだと思い直すことができています。再度広重バームクーヘンのブランディング、デザイン、広報を固め、これから年輪を刻むように深くバームクーヘンと関わっていきたい!そんな想いで、運営、経営、ブランディングをしています。

飛騨高山を含め、観光地で12年以上愛される味

「広重バームクーヘン」は飛騨高山のバームクーヘン屋さんとして、2012年に創業されました。
事業承継をした、2023年の時は「広重スイーツマジック 飛騨高山店」「広重TEAマジック クロスゲート金沢店」という名前で2つの店舗がある事業でした。一時期は、岐阜県内や富山、遠くは熊本県と、合計7店舗を展開するバームクーヘンブランドでした。
ちなみに創業の方から聞いたには、店名の由来は歌川広重(浮世絵師)から命名したとのことです。

観光地として競争が激しい飛騨高山と金沢の地を中心に、12年以上事業を継続していたバームクーヘンの味は紛れもなく本物!程よい食感と甘みはコーヒーとの相性は抜群で、僕も一人のファンとして買いに行っていたスイーツでした。また、お土産としてだけではなく、地元の子どものおやつ、大人のお茶菓子としてもとても人気がある商品でした。しかし、コロナ禍の中で業績は悪くなり、店舗を閉鎖しなければいけない状況に追い込まれて縮小していました。

そんな中、ご縁があり、事業承継のお話しを受けて、弊社の考える「ブランデイングの三つの柱」の視点に当ては
現状の問題点から、リサーチを始めました。


現状の課題は何か?から「買う人」「社会」「売る人」の視点からはどう見えるか?

まずは、現状把握から考えていきました。
現状の課題・問題解決から見えてくるものはたくさんありました。

・12年の実績とネームバリューは実績と共にプラスになる(飛騨高山にバームクーヘン専門店が少ない)
・ネーミングも含めたブランドの確立が不明確(お客さんへのファーストインプレッションが弱い)
・SNS運営、MEO、SEO対策が低く、webサイトやSCサイトもほぼ機能していない状況
・コロナ禍の店舗縮小により商品点数の低下。メインのパティシエの退職による商品開発の低下。
・コロナ禍による人員育成の低下により、サービスのクオリティーの担保が難しい店舗運営。


上記のような課題と、問題点を把握し、それを解決するとしたら?という目線から、コンセプトを踏まえデザインや販売イメージをしていきました。さらに、持続可能な人材育成のベースをつくりを始めました。

ゴーアヘッドワークスと広重のなれそめ

そもそも、広重バームクーヘンさんは、ゴーアヘッドワークスの貴重なお客さまでした。
出会いは10年前から、パンフレットや店舗の看板、さまざまなデザインの分野で携わらせていただき、広報物を作らせていただきました。
各店舗のオープニングのお手伝いや、広報活動、全部まるごとではなかったにしろ、10年間少しづつ情報を共有していただきながら、デザイン制作をさせていたっだきました。
そして本年、弊社の展望と広重との想いが合致し、約12年育てられてきたバームクーヘン事業部を譲渡していただき、2024年7月1日より本格的に運営、管理、販売促進を引き継ぐ事となりました!

まずは、店舗スタッフの育成と、理念共有、社内マニュアルの制作

はじめに取り掛かったのは「どんな広重バームクーヘン屋さんにしたいか?」を描く所からでした。
代表が前社長から新しい弊社に変わり、スタッフはそのままの状況で、何がかわるのか?現状がよくない事だけがわかっている状況からのスタートでした。
そこで、まずは財務の部分を徹底的に現状把握しました。数字的な部分でのコストの見直しや、原価計算はもちろん、損益分岐点の再度確認、家賃交渉等、できる具体的な試作を行いました。その次、現状分析を並行しながら行った事がビジョンを描く事。数字を確認すると共に、僕たちはなんの為に、どこに向かうのか?の理念を考える事でした。
ここで働く意味、バームクーヘン屋さんとして持続する意味を言語化しました。そして、全バイトメンバーとの面談。それぞれどんな状況で働きに来てくれていて、どんな想いで広重バームクーヘンに関わってくれているか?等。現場の現状把握を徹底的にしていきました。それを一つ一つ言語化し、今の運営システムの状況や、言葉で伝えられていた業務、みんな個人個人の感覚で語られ受け継いできたもの、をしっかりと具現化し働き方をマニュアル化していきました。

12年の歴史の「良いもの」は引き継ぎ「古い考え」は更新して、新しいルールを作っていく。それを紙ベースではなくいつでも誰でもどこからでも見れる、社内Webマニュアルに落とし込んでいきました。
2店舗それぞれのバイトメンバーからすこしづ改善点を出してもらい、マニュアルを作りながら新しいルールとシステムを考えて、webに文字、画像、イラスト、時には動画で残していく方法を実行していきました。

もう一つ大きく変えていったものは「ブランドデザイン」です。

元々、デザインは一部分は、お手伝いさせていただいていたのですが、やはり細部のデザインは手作りだったり、印刷会社のデザインだったりと、正直、統一性がないのは課題だと感じていました。
経営者の判断や、店舗のバイトの方々の考え方もあると思いますし、日々の仕事の中での流れもあると思いますが、ここを立て直す事が一番の近道だと感じました。

経営をしている中で、予算の問題や、コスト削減で、デザインが少しづつ変化していき、ブランドが統一できていかなくなってしまうケースはクライアントさんを通じて多々見てきました。
だからこそ、そこを再度見直す事で未来は変わると信じ、気になっていた部分をコンセプトから考え直して、全部のデザインを変更していきました。


基本的なブランドコンセプトの考え方から始まり、ブランドの象徴でもあるロゴマーク、ロゴタイプの見直し。そもそものネーミングが今のままでいいのか?から根本的な見直しをしていきました。
また、各種細かい値段プレートや、商品の写真、商品POPデザインから看板デザイン、パッケージデザイン、ギフト用の箱、ショップカード、パンフレット、DMハガキ、ポスターというお客さんに向けたアウターブランディングで必要とされる要素はもちろん。
お客さまには見えない、社内の日報や、領収書のハンコ、箱詰めの中身がわかるシール、賞味期限の裏ラベルシール、B品を見分けるシール、外出時の案内POP、日々の業務効率化で必要とされる裏方のデザイン等、いわゆるインナーブランディングの要素も入る社内webサイトもその中の一つとして、ブランディングに必要なものを作っていきました。

このような、ビジョンや社内マニュアル等のインナーブランディングであるツールの作成から、お客さまの眼に触れるアウターブランディング的なデザイン制作を日々更新していきながら、店舗運営を通じて業務改善をしていきました。

店舗外での販売開始!に合わせたECサイトや楽天市場、SNSやPRでの販売戦略。

実際1年の試行錯誤の上、店舗運営は少しづつ改善し、スタッフのもミュニケーションも変わり、風土が変わった事により自走し始めました。次はwebを中心としたデザイン制作を軸に販促計画をしていきました。まずは地域のブランディング会社の新たなチャレンジを応援いただくスタートダッシュとして「プレスリリース」に取り組みました。毎月新しい商品を考えてSNSへの更新も含めて、自社で仮説を立てたマーケティングがあっているのか?の確認をしていきました。さらにインフルエンサーマーケティングにも取り組み、個別で繋がったインフルエンサーの方にもお願いしながら商品PRをしていきました。
さらに、ホームページ制作と、ECサイトの立ち上げ、さらにはふるさと納税も含めた楽天市場への出店です!


そこからは、地元のメディアにもプロモーションをひたすら進め、新聞・テレビをはじめとする、各種メデイア。インスタグラム等のSNSでの決まったハッシュタグでの投稿。インフルエンサーの方々にもご協力いただき、一気に広報活動をしていきました。メディアを見たよ!という方から、早速、購入していただき、注文をいただきながら、製造と販売を繰り返しながら、試行錯誤して足りないものを制作していきました。
まだまだ足りないところばかりですが、日々改善の毎日です。

皆様へ、ご協力いただきたい5つのお願い!

そこで皆さんにお願いが5つあります!

①13年売れ続けている自慢のバームクーヘンを味わってみてください!
ぜひ観光がてら、高山や金沢のお店にお立ち寄りください!
もしくは、ECサイトからもご注文可能です!

②インフルエンサー、メディアの方、大歓迎!
是非、シェアや、取材、拡散のご協力をお願いします!
個人のSNSや、会社運営されているSNSでももちろんOKです!

③商品の卸として取り扱ってくださる店舗、大募集!
店舗販売からイベント出店営業まで、広重バームクーヘンを広げて行く為
幅広く卸先をやイベント、催事も増やしたいと考えています。

④FCで県外でも販売されたい方大募集!
実際に広重バームクーヘンブランドを、一緒になって運営していける中で
広重のバームクーヘンを盛り上げていただけませんか?

⑤記念品などにオリジナルバームクーヘンを作りたい方募集!
企業の記念品や、周年でのお客さま、結婚式の引き出物まで
ご要望に合わせて対応可能です!

おわりに

ブランディング会社が小売業を運営して行く事は、いろいろなノウハウや経験が必要だと思っています。
もちろん今もまだですが、一筋縄ではうまくいきません。
が、この経験、店舗運営、人財育成がこれからの弊社の「ブランディング」に大切な要素になってくる事は、間違いありません。
さまざまな生きた経験を元に、一緒にブランディングを進めていきたい方
ぜひ、お気軽にご相談ください!

改めて引き続き株式会社ゴーアヘッドワークスと広重をお願いします!

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広重バームクーヘン 公式ホームページ
https://hiroshige-baum.jp/

広重バームクーヘン ECサイト
https://hiroshigesweets.stores.jp/

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【運営・企画】
■ゴーアへッドワークス 公式ホームページ
https://www.goaheadworks.com

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この記事を書いた人

蒲優祐のアバター 蒲優祐 代表取締役 / ブランディングデザイナー

岐阜県高山市出身、1984年生まれ。デザインの専門学校卒業後、数社のデザイン事務所を経て、2012年にゴーアヘッドワークスを設立。デザイナー・ディレクター、経営者としての活動はもちろん、コーチングや画家、落語家としてもキャリアを積み、多様なフィールドで活動中。

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